「LEDホワイトニングは効果がある」と書いている記事と、「効果がない」と書いている記事が、どちらも出てきます。通販では数千円のライト付きキットが並び、歯科医院でも光を当てています。同じことをしているように見えるのに、評価が正反対になる。どちらを信じればいいのか分からない、という状態になりがちです。
答えが分かれるのには理由があります。光そのものは、歯の色を変えていません。ホワイトニングライトは、何かと組むことで働きます。そして組む相手が3通りあり、それぞれ働きかける対象が違います。だから「ライトに効果があるか」という問いには、答えが定まりません。この記事では、その3通りと、製品を見るときに実際に使える判断の軸を整理します。
「効果があるか」という問いには、答えが定まらない
まず、光の役割から確認します。
ホワイトニングで光を当てるのは、薬剤の反応を助けるためです。光が歯に当たって色が抜けるわけではありません。組む相手がいて初めて、光は仕事をします。
そして、組む相手は3通りあります。
| 光が組む相手 | 起きること | 働きかける対象 |
|---|---|---|
| 過酸化水素(歯科医院の薬剤) | 薬剤の作用が促される | 歯の内部の色素 |
| 光触媒として働く成分(セルフ方式) | 表面の汚れが浮きやすくなる | 歯の表面の着色 |
| 何も組まない(光だけ) | 反応が起きない | — |
同じ「ホワイトニングライト」でも、この3つは別のことをしています。順に見ていきます。
①歯科医院の照射器|過酸化水素と組む
歯科医院で使われる照射器は、過酸化水素を主成分とする薬剤とセットで使われます。薬剤を塗った歯に光を当てることで、薬剤の作用が促されるという設計です。
働きかける先は、歯の内部にある色素です。表面に付いた汚れではなく、内側の色そのものに対する処置になります。
ここで押さえておきたいのが、薬剤がなければ光を当てても色は変わらないという点です。歯科医院の照射器を家に持ち帰っても、薬剤がなければ何も起きません。使われる薬剤については「オフィスホワイトニングの薬剤は何が違う?成分・濃度・承認区分の3つで見る」で、白くなる仕組みそのものは「ホワイトニングで歯が白くなる仕組みは2つある|色素の分解と、一時的な見え方の違い」で説明しています。
②セルフ方式のライト|光触媒として働く成分と組む
店舗で自分で行う方式や、それに近い市販のキットでは、光に反応する成分を配合したジェルが使われます。酸化チタンなどが用いられ、光が当たることで表面の汚れが浮きやすくなるという仕組みです。
こちらが働きかけるのは、歯の表面に付いた着色です。
これは劣っているという話ではなく、対象が違うという話です。表面の着色が原因であれば、こちらの方向で変化が見込めます。歯の内部の色が原因であれば、この方向では届きません。どちらに当たるかで必要な方法が変わります。セルフ方式でできることの範囲は「セルフホワイトニングに効果はある?効かないのではなく対象が違う」で詳しく整理しています。
③薬剤が付かない、光だけの製品|何とも組まない
3つ目です。光を当てるだけという製品も存在します。
ここまで見てきたとおり、光は組む相手がいて初めて働きます。組む相手がなければ、反応そのものが起きません。照射時間を延ばしても、明るいライトに変えても、この部分は変わりません。
つまり、製品を見るときに確認すべきなのは、光の側ではありません。
見るのはライトではなく、付属している薬剤
商品ページには、波長の数値、LEDの個数、照射時間といったスペックが並んでいます。ただ、これらは単独では判断材料になりません。組む相手が決まっていなければ、光の性能が高くても結果は変わらないためです。
実際に見る点は、次の3つです。
| 見る点 | 何が分かるか |
|---|---|
| ①ジェルや薬剤が付属しているか | 光が組む相手があるかどうか |
| ②その成分は何か | 歯の内部に働きかけるのか、表面に働きかけるのか |
| ③どこから買うものか | 適用されている基準が変わる |
③について補足します。同じような製品でも、国内で正規に流通しているものと、海外から取り寄せるものとでは、適用されている基準が違います。この考え方は「韓国のホワイトニング歯磨き粉は日本のものと何が違う?成分と買う経路で見る」で詳しく扱っています。
なお、この記事では特定の製品を挙げた比較や順位付けは行いません。成分や仕様は製品と時期によって変わり、一度の比較が長く正しいままでいることが難しいためです。代わりに、目の前の製品を自分で見分けるための軸をお渡ししています。
光が担当しているのは速さであって、到達点ではない
もうひとつ、期待の置きどころについて。
歯科医院で光を当てるのは、限られた診療時間の中で作用させるためです。椅子に座っている数十分のあいだに進めたいので、高い濃度の薬剤と光を組み合わせます。
裏返すと、時間をかけられる場合は、光を使う必要がありません。自宅で行う方法に照射器が付いていないのは、そのためです。1日2時間を毎日続けられるので、低い濃度の薬剤にゆっくり働いてもらう設計になっています。
つまり、光は「速さ」の側の変数です。濃度と同じ位置づけになります。この関係は「オフィスホワイトニングの薬剤は何が違う?成分・濃度・承認区分の3つで見る」で整理しています。
そして、どこまで白くなるかを決めているのは、光でも薬剤でもなく歯の側です。もともとの歯の色、エナメル質の厚み、変色の原因。到達点を左右する要因は「ホームホワイトニングの効果はどのくらい?速さ・到達点・持続の3つに分けて考える」に分解してあります。
光を当てている時間は、施術全体の一部
歯科医院の施術というと、光を当てている場面が思い浮かぶかもしれません。ただ、所要時間の内訳を見ると、光を当てている時間は一部です。
薬剤を塗る前に歯の表面を清掃する工程があり、そちらのほうが時間がかかります。時間の内訳は「オフィスホワイトニングの時間は4つに分かれる|予定を組むのに必要なのは滞在時間」で詳しく説明しています。
「光を当てること=施術の本体」という印象がありますが、実際には工程のひとつ、という位置づけです。
安全性について
紫外線が気になる方もいると思います。
ホワイトニングに用いられる近年のLEDは、紫外線を含まない波長帯で設計されているとされています。歯科医院で使用される照射器についても、施術時には歯ぐきを保護したうえで照射する流れになります。
なお、光を当てても変化が出にくい変色があります。歯の内部の性質による変色がそれにあたり、代表的なのが薬剤による変色です。この場合、光や濃度を変えても届き方が変わらないため、別の考え方が必要になります。詳しくは「テトラサイクリン歯のホワイトニングは効かない?効き方が3つの意味で違う」をご覧ください。
東京新宿矯正歯科の照射器
当院の歯科医院での施術では、過酸化水素を配合したホワイトニング剤を塗布したうえで、専用の照射器で8分×2回の照射を行います。光が何と組んでいるかが、そのまま施術の内容になっています。
スタンダードプランは4,980円(税込)から(3回施術を受けた場合の総額は14,940円(税込))、より高い濃度で進めるブーストプランは16,500円(税込)で、過酸化水素35%のホワイトニング剤を使用します。どちらで進めるかは、当日、歯科衛生士と相談しながら決められます。来院は最低1回※です。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
※オフィスホワイトニングは保険適用外の自由診療です。使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品で、国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。リスク・副作用として、個人差がありますが一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。効果の程度・持続期間には個人差があります。
一方、当院の自宅用キットに照射器は含まれていません。内容は、オーダーメイドのマウスピース、濃度10%のホワイトニングジェル4本(1ヶ月分)、知覚過敏抑制剤です。1日2時間の装着で進めるため、光で速める必要がない設計になっています。費用は、マウスピースをお持ちの方が月々11,000円(税込)、お持ちでない方は初月22,000円(税込)です。
※ホームホワイトニングは保険適用外の自由診療です。標準費用はマウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込))。期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。副作用・リスクとして、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。効果や感じ方には個人差があります。
歯科医院で受ける方法の全体像は「オフィスホワイトニングとは?1回でどこまで白くなる・所要時間・総額の目安を解説」をご覧ください。
ホワイトニングライトに関するよくある質問
光を当てるだけで白くなりますか?
光は薬剤の反応を助ける役割なので、組む相手がなければ反応そのものが起きません。ジェルや薬剤が付属していない、光を当てるだけの製品では、色を変える工程が入っていないことになります。
通販のLEDライトは歯科医院のものと同じですか?
光の部分だけを見れば近いものもありますが、組む相手が違います。歯科医院では高い濃度の過酸化水素を含む薬剤と組み合わせますが、これは医療機関でのみ使用できるものです。同じライトでも、組む薬剤が違えば働きかける対象が変わります。
波長の数字は何を見ればいいですか?
光の側のスペックだけでは判断できません。まず、ジェルや薬剤が付属しているか、その成分は何かを確認してください。組む相手が決まらないと、光の性能は結果に結びつきません。
光を当てると歯や歯ぐきに負担がかかりませんか?
ホワイトニングに用いられる近年のLEDは、紫外線を含まない波長帯で設計されているとされています。歯科医院では、歯ぐきを保護したうえで照射する流れになります。施術中に気になる症状があれば、その場でお伝えください。
自宅で行う方法にライトは必要ですか?
自宅で行う方法は、低い濃度の薬剤を長い時間かけて作用させる設計です。時間をかけられるため、光で速める必要がありません。当院の自宅用キットにも照射器は含まれていません。
照射時間が長いほど白くなりますか?
光が担当しているのは作用の速さであって、到達点ではありません。照射時間を延ばせば到達点が上がる、という関係にはなっていません。どこまで白くなるかは、歯の側の条件で決まります。
まとめ|判断するのは光ではなく、組む相手
ホワイトニングライトについて、押さえておきたいのは3点です。
光そのものは、歯の色を変えていません。光は薬剤の反応を助ける役割で、組む相手がいて初めて働きます。
組む相手は3通りあります。歯科医院の薬剤(過酸化水素)と組めば歯の内部の色素に、光触媒として働く成分と組めば表面の着色に働きかけます。何も組まなければ、反応は起きません。「効果があるか」という問いに答えが定まらないのは、この3つが混ざったまま議論されているためです。
そして、光が担当しているのは速さです。限られた診療時間で作用させるために使うもので、時間をかけられる自宅での方法には使いません。どこまで白くなるかを決めているのは、光ではなく歯の側の条件です。
製品を見るときは、ライトのスペックではなく、何が付属していて、その成分が何に働きかけるのかを確認してみてください。
東京新宿矯正歯科のホワイトニング
各線「新宿駅」から徒歩5分。クリニックで施術する「オフィスホワイトニング」と、自宅で続ける「ホームホワイトニング」の両方に対応しています。目指す白さや生活スタイルに合わせて、当日ご相談のうえプランをお選びいただけます。
| メニュー | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| オフィスホワイトニング (スタンダードプラン) | 4,980円〜 (3回施術の総額 14,940円) | 過酸化水素配合のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| オフィスホワイトニング (ブーストプラン) | 16,500円 | 過酸化水素35%のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| ホームホワイトニング | 初月11,000円 (マウスピースをお持ちでない場合は初月22,000円) 次月以降 11,000円/月 | オンライン診療のうえ、オーダーメイドマウスピースとホワイトニングジェル(濃度10%)を自宅へ配送します |
※オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングはいずれも保険適用外の自由診療です。
※オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品です。国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。
※リスク・副作用:個人差がありますが、一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。ホームホワイトニングでは、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。
※詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。
※効果の程度・持続期間には個人差があります。ホームホワイトニングの標準費用は、マウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合)。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込)がかかります。
※期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、診療にもとづいて決定されます。
