前歯の差し歯だけが、周りより色が濃く見える。白くしようと調べたら、差し歯はホワイトニングでは変わらないと書いてあって、一度あきらめる。そのあとで「歯のマニキュア」という方法を見つける。ここまでたどり着いている方が多いと思います。
結論から書きます。歯のマニキュアは、差し歯にも塗ることができます。表面に塗料を乗せる方法なので、素材を問わず色を変えられるためです。ただし、差し歯に塗った場合、天然歯に塗ったときより持ちが短くなります。この記事では、その理由と、持続期間の記載が記事によってばらつく理由、そして持ちが短くても活きる使い方を整理します。
ホワイトニングとマニキュアは、働きかける場所が違う
まず、2つの方法の違いを整理します。
| 働きかける場所 | 人工物への効果 | |
|---|---|---|
| ホワイトニング | 歯の内部にある色素 | 作用しない |
| 歯のマニキュア | 歯の表面を塗料で覆う | 塗ることはできる |
ホワイトニングの薬剤は、歯の内部にある色素に働きかけます。差し歯や被せ物にはその色素がないため、作用しません。仕組みそのものは「ホワイトニングで歯が白くなる仕組みは2つある|色素の分解と、一時的な見え方の違い」で説明しています。
一方、マニキュアは色を上から乗せる方法です。歯の色を変えるのではなく、覆って別の色に見せることになります。だから素材を問いません。差し歯にも、金属にも塗れます。
ここまでは、多くの記事に書かれているとおりです。問題はこの先です。
差し歯にも塗れる。ただし、差し歯でこそ持ちが短い
「差し歯や銀歯にも塗れるが、取れやすいので注意」という記載をよく見かけます。ただ、なぜ取れやすいのかまで書かれていることは少ないように思います。
理由は、塗る相手の表面の性質にあります。
天然歯の表面には、目に見えないほどの細かい凹凸があります。塗料はそこに入り込んで留まります。一方、差し歯に使われるセラミックや硬質レジンの表面は、天然歯より滑らかに仕上げられています。そのため、塗料が引っかかる場所が少なくなります。
つまり、こういうことになります。
差し歯の色をなんとかしたくて探した手段が、差し歯でいちばん持ちが短い。
これは製品の良し悪しの問題ではありません。塗る相手の性質によるものなので、どの製品を選んでも同じ方向に働きます。ここを知らずに始めると、「思ったより早く取れた」と感じることになります。
持続期間の記載がばらつくのはなぜか
調べていると、持続期間の数字が記事によってかなり違うことに気づくと思います。「3日から1ヶ月程度」と書いてあるものもあれば、「1〜3ヶ月程度」と書いてあるものもあります。
この幅を作っているのは、次の3つです。
| 変数 | 幅への影響 |
|---|---|
| ①塗る対象 | いちばん大きい。天然歯か、差し歯などの人工物か |
| ②その歯の当たり方 | 上下の歯が強く当たる位置にあるほど、こすれて剥がれやすい |
| ③誰が塗るか | 歯科医院での施術か、市販品による自己施術か |
自分の場合の目安は、この3つを当てはめると絞れます。差し歯(①人工物)で、前歯の当たる位置にあり(②)、市販品を自分で塗る(③)のであれば、示されている幅のうち短いほうに寄ることになります。
逆に言えば、長いほうの数字は天然歯に医院で塗った場合を指していることが多い、ということです。数字だけを見比べても判断できないのは、このためです。
なお、いずれの場合も個人差があります。
剥がれ方にも、知っておきたいことがある
マニキュアは一度に全部剥がれるわけではなく、部分的に取れていきます。そうなると、塗った部分と取れた部分の差が出て、かえってムラに見えることがあります。
また、コーティングが不完全に残った状態が続くと、その部分に歯垢や着色汚れが付きやすくなる場合があるとされています。
これらは、マニキュアという方法を否定するものではありません。ただ、塗ったあとの状態を放置しないという前提が要る、ということです。塗り直しや除去を含めて、どう扱うかを先に決めておくほうが安全です。
差し歯の色を扱う3つの選択肢
全体像の中で、マニキュアがどこに位置するかを見ておきます。
| 選択肢 | 性質 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 歯のマニキュア | 表面に塗る。一時的 | 期限のある場面。作り替えまでの期間 |
| 差し歯の作り替え | 差し歯そのものを替える | 恒久的に整えたい場合 |
| 差を受け入れる | 何もしない | 位置や程度によっては、実際に気にならない場合もある |
3つ目を選択肢として挙げているのは、差し歯の位置と面積によって、実際の見え方が大きく変わるからです。この判断の考え方は「インプラントはホワイトニングで白くならない|替えられる部分と、色を合わせる3つの選択肢」で整理しています。
素材ごとに色の差の出方が違う点は、「ホワイトニングで詰め物はどうなる?素材によって起きることが違う」で扱っています。
マニキュアが最も活きるのは、「つなぎ」として
ここが、この記事でお伝えしたい部分です。
差し歯の色を整える基本の流れは、天然歯の側を先に明るくして、その色に合わせて差し歯を作り替えるというものです。合わせる相手が動いてしまわないよう、順番が決まっています。
そして、この間には期間が空きます。天然歯の色が落ち着くまで待ち、それから作り替えの予定を取る。数週間から、場合によっては数ヶ月かかります。
マニキュアを、この期間を埋める手段として位置づけると、話が変わります。持続が短いことがデメリットではなくなるからです。もともと一時的に使うつもりなら、数週間もてば足ります。
同じ考え方は、期限がある場面にも当てはまります。行事や写真撮影など、「その日にきれいに見えればいい」という目的であれば、1回で目的の白さにできるという性質が合っています。期限から逆算する考え方は「ブライダルホワイトニングは式の何ヶ月前から?当日をピークにする逆算の考え方」で扱っています。
逆に、恒久的に整えたい場合には向きません。塗り直しを繰り返すことになり、手間と費用が積み上がります。その場合は作り替えのほうが目的に合います。
天然歯側を明るくする場合の順番
作り替えを選ぶ場合、天然歯側の色を先に決めるのが基本の順番です。
理由は単純で、逆にすると合わせる相手が動くからです。差し歯を先に作ってから天然歯を明るくすると、また差が開きます。
もうひとつ、色が安定するまで待つという点があります。施術直後の白さには、数日で消える一時的な見え方が含まれます。そこを基準に色を合わせると、あとで暗く感じることになります。この仕組みは「ホワイトニングで歯が白くなる仕組みは2つある|色素の分解と、一時的な見え方の違い」で説明しています。
治療中の歯がある場合を含めた具体的な順番は、「ホワイトニングは虫歯があるとできない?順番を整理すると進め方が決まる」に4つのステップとして整理してあります。
東京新宿矯正歯科でできること
はじめにお伝えしておくと、当院では差し歯の作製も、歯のマニキュアも行っておりません。これらについては、その差し歯を入れた歯科医院、またはかかりつけの歯科医院にご相談ください。
当院が担当できるのは、天然歯側の色を決めるところです。ここは、差し歯の色を整える流れの起点にあたります。合わせる相手の色が決まらないと、作り替えの予定も立てられないためです。
歯科医院での施術を受ける場合、来院時に口内と歯の色を確認します。この工程で、差し歯の位置と、今どのくらい色の差があるかを把握したうえで進められます。費用は、スタンダードプランが4,980円(税込)から(3回施術を受けた場合の総額は14,940円(税込))、ブーストプランが16,500円(税込)です。来院は最低1回※です。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
※オフィスホワイトニングは保険適用外の自由診療です。使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品で、国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。リスク・副作用として、個人差がありますが一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。効果の程度・持続期間には個人差があります。
自宅で行う方法もあり、費用はマウスピースをお持ちの方が月々11,000円(税込)、お持ちでない方は初月22,000円(税込)です。こちらは変化がゆるやかなため、色の落ち着きを見ながら進められます。作り替えの予定を立てる場合、この点が判断材料になります。
※ホームホワイトニングは保険適用外の自由診療です。標準費用はマウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込))。期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。副作用・リスクとして、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。効果や感じ方には個人差があります。
差し歯とマニキュアに関するよくある質問
差し歯にマニキュアを塗ると何日もちますか?
塗る対象、その歯の当たり方、誰が塗るかの3つで変わるため、一律の日数はありません。差し歯は天然歯より表面が滑らかで塗料が留まりにくいため、示されている幅のうち短いほうに寄ることになります。個人差もあります。
市販品でも差し歯に塗れますか?
塗ること自体はできます。ただし、自分で塗る場合はムラや光沢の不自然さが出やすくなり、持ちも短くなる傾向があります。前歯のように見える位置では、仕上がりの差が出やすい部分です。
マニキュアを塗った上からホワイトニングはできますか?
マニキュアは表面を覆うものなので、その状態では薬剤が歯の面に届きません。ホワイトニングを行う場合は、塗ったものを取り除いてからになります。
差し歯を作り替えるのとマニキュア、どちらがいいですか?
どのくらいの期間もたせたいかで変わります。期限のある場面や、作り替えまでの期間を埋める目的であればマニキュアが合います。恒久的に整えたい場合は、塗り直しを繰り返すことになるため作り替えのほうが目的に合います。
マニキュアは自分で落とせますか?
製品や施術の種類によって扱いが異なります。塗る前に、除去の方法まで確認しておくことをおすすめします。部分的に残った状態を放置しないことが大切です。
差し歯の色だけ合わせる方法はありませんか?
差し歯そのものの色は、薬剤では変わりません。表面に塗って覆うか、作り替えるかのどちらかになります。なお、天然歯側を明るくすると差が広がるため、先に順番を決めておくことをおすすめします。
まとめ|塗れるかではなく、どのくらいの期間もたせたいか
差し歯と歯のマニキュアについて、押さえておきたいのは3点です。
塗ることはできます。マニキュアは表面を覆う方法なので、素材を問いません。差し歯にも金属にも塗れます。
ただし、差し歯では持ちが短くなります。天然歯の表面には細かい凹凸があって塗料が留まりますが、セラミックや硬質レジンは滑らかで密着しにくいためです。製品の選び方では変わりません。
だから、判断する軸は「塗れるか」ではなく「どのくらいの期間もたせたいか」です。期限のある場面や、天然歯を明るくしてから差し歯を作り替えるまでの期間を埋める目的であれば、一時的であることは問題になりません。恒久的に整えたい場合は、作り替えという別の道のほうが目的に合います。
東京新宿矯正歯科のホワイトニング
各線「新宿駅」から徒歩5分。クリニックで施術する「オフィスホワイトニング」と、自宅で続ける「ホームホワイトニング」の両方に対応しています。目指す白さや生活スタイルに合わせて、当日ご相談のうえプランをお選びいただけます。
| メニュー | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| オフィスホワイトニング (スタンダードプラン) | 4,980円〜 (3回施術の総額 14,940円) | 過酸化水素配合のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| オフィスホワイトニング (ブーストプラン) | 16,500円 | 過酸化水素35%のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| ホームホワイトニング | 初月11,000円 (マウスピースをお持ちでない場合は初月22,000円) 次月以降 11,000円/月 | オンライン診療のうえ、オーダーメイドマウスピースとホワイトニングジェル(濃度10%)を自宅へ配送します |
※オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングはいずれも保険適用外の自由診療です。
※オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品です。国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。
※リスク・副作用:個人差がありますが、一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。ホームホワイトニングでは、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。
※詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。
※効果の程度・持続期間には個人差があります。ホームホワイトニングの標準費用は、マウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合)。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込)がかかります。
※期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、診療にもとづいて決定されます。