前歯に詰め物が入っていると、ホワイトニングをためらう理由になります。白くしたら、そこだけ余計に目立つのではないか。やらなければ気づかずに済んだ差を、自分で作り出すことになるのではないか。そう感じるのは自然なことです。
詰め物が薬剤で白くならないという点は、素材にかかわらず共通です。ただし、そのあとどう見えるかは素材によって違います。そしてもうひとつ、多くの記事で分けて書かれていないことがあります。「詰め物そのものの変色」と「天然歯が明るくなったことによる色の差」は、別の問題です。この記事ではその2つを整理します。
「白くならない」は共通、そのあとが素材で分かれる
ホワイトニングの薬剤は、歯の内部にある色素に働きかけます。天然歯が明るくなるのはそのためです。人工物にはその色素がないため、作用しません。
ただし、「白くならない」ことと「同じように目立つ」ことは別です。素材ごとに、起きることが違います。
| 素材 | ホワイトニング後に起きること |
|---|---|
| 銀歯(金属) | もともと色の系統が違うため、差の性質は変わらない |
| 白い詰め物(コンポジットレジン) | 差が2方向から開く(天然歯が明るくなる+詰め物側が経年で変色している) |
| セラミック | 作った時点の色で止まっているため、天然歯が明るくなると取り残される |
順に見ていきます。
①銀歯(金属)|色の差の性質は変わらない
金属の詰め物は、もともと歯の色とは別の系統です。銀色と歯の色という組み合わせなので、天然歯が明るくなっても、その関係は変わりません。
つまり、ホワイトニングによって新しく差が生まれるわけではないということです。もとから見えていたものが、そのまま見えている状態が続きます。
そのため、銀歯については「ホワイトニングで目立つようになるか」より、もともと気になっているかどうかで判断することになります。奥歯に入っている場合は、そもそも人から見える場面が限られます。位置による判断の違いは「ホワイトニングは虫歯があるとできない?順番を整理すると進め方が決まる」でも触れています。
②白い詰め物(コンポジットレジン)|差が2方向から開く
いちばん相談が多いのが、この素材です。そして、ここだけ起きていることが少し複雑です。
白い詰め物に使われるコンポジットレジンは、樹脂でできています。この素材には、年数が経つにつれて色が変わっていくという性質があるとされています。飲食物の色素を少しずつ吸収し、表面もわずかに劣化していくためです。この素材に交換時期の目安が語られるのは、そうした理由によります。
ここで何が起きるかというと、差が2つの方向から開きます。
- 天然歯の側が、ホワイトニングによって明るくなる
- 詰め物の側が、年数の経過によって暗くなっている
この2つが同時に効きます。だから、白い詰め物のほうが「差が出た」と感じやすくなります。入れた当時はぴったり合っていたはずなのに、という感覚になるのはそのためです。
そして重要なのは、このうち2つ目はホワイトニングとは関係なく進んでいたということです。ここが次の話につながります。
③セラミック|作った時点の色で止まっている
セラミックは、レジンに比べて色が変わりにくい素材とされています。ただ、それは作った時点の色のまま止まっているということでもあります。
天然歯の側だけが明るくなると、セラミックが取り残される形になります。変色していないぶん、差の原因は天然歯側の変化だけです。レジンのように2方向から開くわけではありませんが、面積の大きい被せ物の場合は、その分だけ差が目立ちやすくなります。
「詰め物の変色」と「色の差」は別の問題
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
| 何が起きているか | 原因 | |
|---|---|---|
| 詰め物の変色 | 詰め物そのものの色が、入れた当時から変わった | 年数の経過 |
| 色の差 | 天然歯が明るくなり、相対的に開いた | ホワイトニング |
この2つは、別々に起きています。
そして、すでに変色している詰め物は、ホワイトニングをしてもしなくても、いずれ交換時期が来ます。素材の性質としてそうなっているためです。
つまり、白くしたあとに詰め物が気になったとしても、それはホワイトニングのせいで交換が必要になったのではありません。もともと近づいていた交換時期が、見えるようになったという順序です。
もし今の時点で「詰め物の色が合っていない気がする」と感じているなら、それは①の変色が進んでいるサインである可能性があります。その場合、ホワイトニングをするかどうかにかかわらず、一度状態を見てもらう価値があります。
素材ごとに、作り替えの手間が違う
「作り替えられるかどうか」で考えると、どの素材も作り替えられます。判断が分かれるのは、どのくらいの手間で作り替えられるかです。
| 素材 | 作り替えの形 | 手間の目安 |
|---|---|---|
| 白い詰め物(レジン) | その場で詰め直す形が取れることが多い | 比較的軽い |
| セラミックの詰め物 | 型取りから作り直す | 来院が複数回になる |
| 被せ物・差し歯 | 型取りから作り直す。面積が大きい | 来院が複数回になる |
レジンの詰め直しが比較的取りやすいという点は、判断に効いてきます。白い詰め物が前歯に入っている場合、「ホワイトニングをして、明るくなった色に合わせて詰め直す」という進め方が現実的な選択肢になるためです。ただし、実際にどう進めるかは詰め物の状態や範囲によって変わり、判断するのは治療を担当する歯科医師です。
なお、当院は矯正歯科のため、詰め物や被せ物の交換・作製は行っておりません。実際の作り替えについては、その治療を受けた歯科医院、またはかかりつけの歯科医院にご相談ください。人工物の色を合わせるという方向で考える場合の選択肢は「インプラントはホワイトニングで白くならない|替えられる部分と、色を合わせる3つの選択肢」で整理しています。
作り替えるなら、色が決まってからにする
順番については、先にホワイトニングを行い、明るくなった色に合わせて詰め物を作るのが基本的な流れです。
理由は単純で、逆にすると合わせる相手が動いてしまうからです。詰め物を先に作ると、そのあとのホワイトニングで天然歯だけが明るくなり、また差が開きます。
もうひとつ気をつけたいのが、色が安定するまで待つという点です。施術直後の白さには、数日で消える一時的な見え方が含まれます。そこを基準に色を合わせると、あとで暗く感じることになります。この仕組みは「ホワイトニングで歯が白くなる仕組みは2つある|色素の分解と、一時的な見え方の違い」で説明しています。
治療中の歯がある場合を含めた具体的な順番は、「ホワイトニングは虫歯があるとできない?順番を整理すると進め方が決まる」に4つのステップとして整理してあります。前歯を仮の状態で止めておくという進め方も、そちらで扱っています。
どこに入っているかで、判断が変わる
同じ素材でも、位置によって判断は変わります。
- 前歯: 話すとき・笑うときに見える。差が出ると気づかれやすい
- 奥歯: 見える場面が限られる。差が出ても気にならないことが多い
- 面積が大きい(被せ物・差し歯): 同じ色の差でも目立ちやすい
判断のときは、鏡ではなく、人と話しているときに見える範囲で考えると実際に近くなります。鏡では奥まで見えますが、会話中に見えているのは前歯とその隣あたりまでです。
東京新宿矯正歯科での確認
当院で歯科医院での施術を受ける場合、来院後にまず口内と歯の色を確認します。この工程で、人工物がどこに、どの素材で入っているかを施術前に把握できます。確認したうえで、カウンセリングを行いプランを選ぶ流れです。
費用は、スタンダードプランが4,980円(税込)から(3回施術を受けた場合の総額は14,940円(税込))、ブーストプランが16,500円(税込)です。来院は最低1回※です。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
※オフィスホワイトニングは保険適用外の自由診療です。使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品で、国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。リスク・副作用として、個人差がありますが一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。効果の程度・持続期間には個人差があります。
自宅で行う方法もあり、こちらはオンライン診療で歯の状態を確認したうえで処方します。費用は、マウスピースをお持ちの方が月々11,000円(税込)、お持ちでない方は初月22,000円(税込)です。自宅で行う方法は変化がゆるやかなため、色の落ち着きを見ながら進められるという側面があります。作り替えを予定している場合は、この点が判断材料になります。
※ホームホワイトニングは保険適用外の自由診療です。標準費用はマウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込))。期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。副作用・リスクとして、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。効果や感じ方には個人差があります。
繰り返しになりますが、詰め物・被せ物の交換や作製は当院では行っておりません。進め方についてのご相談は承りますので、色の目標と、作り替えを検討している箇所をお伝えください。
ホワイトニングと詰め物に関するよくある質問
詰め物も一緒に白くなりませんか?
薬剤は歯の内部にある色素に働きかけるため、その色素を持たない人工物には作用しません。素材にかかわらず、詰め物・被せ物・差し歯の色は変わりません。
白い詰め物なのに色が合っていません。ホワイトニングのせいですか?
まだホワイトニングをしていない段階で色が合っていない場合は、詰め物側の変色が進んでいる可能性があります。白い詰め物に使われる樹脂は、年数が経つと色が変わっていく性質があるためです。この場合、ホワイトニングとは別に、交換時期が近づいていると考えられます。
詰め物を作り替えてからホワイトニングをしたほうがいいですか?
順番としては、先にホワイトニングを行い、明るくなった色に合わせて作り替えるほうが合わせやすくなります。先に作り替えると、そのあとで天然歯だけが明るくなり、また差が開くためです。
奥歯の銀歯は気にしなくていいですか?
見える場面が限られるため、前歯とは判断が変わります。また、金属はもともと歯の色とは別の系統なので、天然歯が明るくなっても差の性質そのものは変わりません。
詰め物が多いとホワイトニングをする意味がありませんか?
天然歯の部分は明るくなるため、意味がなくなるわけではありません。ただし、人工物の割合が多いほど、全体としての変化は小さく感じられます。どこに何が入っているかを確認したうえで判断することをおすすめします。
詰め物が取れることはありますか?
自宅で行う方法では、装着や取り外しの際に補綴物が外れる場合があります。ぐらつきや違和感がある詰め物がある場合は、始める前に伝えてください。
まとめ|素材で起きることが違い、変色と色の差は別問題
詰め物が薬剤で白くならないのは共通ですが、そのあとどう見えるかは素材で分かれます。
銀歯は、差の性質が変わりません。もともと色の系統が違うため、天然歯が明るくなっても関係は同じです。
白い詰め物は、差が2方向から開きます。天然歯が明るくなることに加えて、詰め物の側が年数の経過で変色しているためです。
セラミックは、作った時点の色で止まっています。天然歯だけが動くので、取り残される形になります。
そして押さえておきたいのが、詰め物の変色と、天然歯が明るくなったことによる色の差は別の問題だということです。すでに変色している詰め物は、ホワイトニングをしてもしなくても、いずれ交換時期が来ます。白くしたあとに気になったとしても、それはもともと近づいていた交換時期が見えるようになったという順序です。
東京新宿矯正歯科のホワイトニング
各線「新宿駅」から徒歩5分。クリニックで施術する「オフィスホワイトニング」と、自宅で続ける「ホームホワイトニング」の両方に対応しています。目指す白さや生活スタイルに合わせて、当日ご相談のうえプランをお選びいただけます。
| メニュー | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| オフィスホワイトニング (スタンダードプラン) | 4,980円〜 (3回施術の総額 14,940円) | 過酸化水素配合のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| オフィスホワイトニング (ブーストプラン) | 16,500円 | 過酸化水素35%のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| ホームホワイトニング | 初月11,000円 (マウスピースをお持ちでない場合は初月22,000円) 次月以降 11,000円/月 | オンライン診療のうえ、オーダーメイドマウスピースとホワイトニングジェル(濃度10%)を自宅へ配送します |
※オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングはいずれも保険適用外の自由診療です。
※オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品です。国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。
※リスク・副作用:個人差がありますが、一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。ホームホワイトニングでは、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。
※詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。
※効果の程度・持続期間には個人差があります。ホームホワイトニングの標準費用は、マウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合)。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込)がかかります。
※期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、診療にもとづいて決定されます。
