八重歯矯正は矯正できる?費用・期間・顔の変化までをまるごと解説

「八重歯矯正は時間もお金もかかりそう」
「八重歯矯正は抜歯が怖い」
「顔が変わるのが不安」

このような八重歯の矯正に関する悩みや疑問をもっていませんか?

八重歯はそのまま放置しておくと、歯周病や噛み合わせが悪くなるリスクがあります。

この記事では、費用や期間、抜歯の必要性から顔の変化まで、八重歯矯正にまつわる知識をまるごと解説します。

「八重歯矯正についての知識を深めたい」という方はぜひご覧ください。

目次

八重歯とは?

八重歯とは?

日本における八重歯は「かわいい」というイメージをもたれることが多く、特に女性の場合、愛嬌があり親しみやすい印象を与えます。

一方、欧米では「歯並びが悪い」というイメージをもたれることが少なくありません。八重歯はドラキュラや悪魔などと関係づけられ、健康的ではないと捉えられることもあります。

また、中国には「幸福が逃げる」「親や配偶者と離別を早める」などの迷信もあり、八重歯を気にする人が多くいます。

では、そもそも八重歯とは何なのでしょうか。ここでは八重歯になる原因や、混同されやすい犬歯との違いを解説します。

八重歯の原因

八重歯とは、主に犬歯(根っこが一番長い歯)などの歯が歯列の外にはみ出した状態を指す言葉です。

八重歯になる原因は主に以下の4つです。

  • あごと歯のサイズが合っていない
  • 乳歯が抜けるタイミングが遅かった
  • 上の前歯に過剰歯がある
  • 幼少期の癖

八重歯が生じるもっとも一般的な原因は、あごの骨が小さく歯が並ぶスペースが不足している、歯のサイズが大きく歯列に収まらないなどのケースです。

また、上あごの前歯の間に余分な歯が生えてくる「過剰歯」があると、歯並びが圧迫されて八重歯になることもあります。

ほかにも、幼少期の指しゃぶりや唇やタオルを噛む癖、口呼吸の癖などがあると、上あごの成長抑制や頬の筋肉発達によって八重歯になりやすくなります。

八重歯と犬歯の違い

八重歯と犬歯は混同されやすいですが、実は違うものです。

犬歯とは、前歯から数えて3番目に位置する歯のことで、上あごと下あごの左右に2本ずつ生えています。

一方、八重歯は歯どうしが重なり合って生えている状態のことです。犬歯が八重歯になるケースが多いですが、犬歯以外の歯が八重歯になることもあります。

特徴
八重歯歯並びが重なり合って生えている状態のこと(不正歯列の一種)
犬歯以外も八重歯になる可能性がある
犬歯前歯から3番目に生えている尖った形状の歯のこと
上あごと下あごの左右に2本ずつ生えている食べ物を噛み砕く役割をもつ

ちなみに、犬歯が八重歯になりやすい理由は「犬歯の生え変わりが遅い」ためです。

永久歯の犬歯は、両隣の歯より遅れて生えてくることが多く、あごが小さいなどの理由でスペース不足が生じると歯列から外れて八重歯になってしまいます。

【方法別】八重歯矯正の費用と期間

【方法別】八重歯矯正の費用と期間

八重歯は、矯正治療によって改善を目指せます。歯科矯正には全体矯正と部分矯正の2種類あり、八重歯の場合は部分矯正での対応が難しいことが多いです。

そのため、ここでは全体矯正の代表的な方法である「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」について、それぞれの費用と期間の目安を紹介します。

八重歯矯正の費用と期間は、矯正方法や症例によって大きく異なります。実際の金額や期間を知るには歯科医院で診察を受ける必要があるので、八重歯を治したいという方はぜひクリニックに相談してみましょう。

マウスピース矯正

費用60万円~100万円
期間1年~3年

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を使用します。

目立ちにくいのが特徴で、取り外しが可能なため食事や歯磨きの際に負担がかかりません。

ただし、装着時間が1日20時間以上必要なため、短期間で矯正を完了するためには自己管理が大切です。

また、ワイヤー矯正に比べて費用が安価である傾向にありますが、適応症例が限られている点はマウスピース矯正の弱点といえるでしょう。

八重歯をマウスピース矯正で治したい場合は、歯科医院でレントゲンや歯型などを撮り、歯並びの状態やあごの大きさなどを詳しく検査する必要があります。その検査結果に基づいて、歯科医師がマウスピース矯正が可能かどうかを判断します。

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ワイヤー矯正

費用60万円~170万円
期間6ヶ月~3年

ワイヤー矯正は、金属製のワイヤーとブラケットを使って歯並びを整える治療法です。マウスピース矯正に比べてワイヤー矯正のほうが歯を動かしやすく、治療期間が短くなったり、費用が抑えられたりする場合があります。

ワイヤー矯正には、「表側矯正」と「裏側矯正」があります。表側矯正は歯の表面にブラケットを装着する方法で、矯正器具が目立ってしまうのがデメリットです。一方、裏側矯正は歯の裏側にブラケットをつけるため矯正していることが周囲にはわかりづらいですが、表側矯正よりも費用が高額になります。

ほかにもワイヤー矯正の器具には、「ホワイトワイヤー」と呼ばれる白いワイヤーもあります。一般的なワイヤー(メタルワイヤー)に比べて目立ちにくいですが、そのぶん費用が高かったり、強度が劣ったりするなどのデメリットがあります。

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八重歯をきれいに矯正するには抜歯が必要か

八重歯をきれいに矯正するには抜歯が必要か

八重歯の矯正に抜歯が必要かどうかは、以下の要因によって決まります。

  • 歯並びの状態
  • あごの大きさ
  • 歯の大きさ
  • 希望する歯並び

続いては、抜歯が必要な場合と歯を抜かずに矯正できる場合について解説します。

抜歯が必要な場合

歯の重なりが著しい場合やあごが小さい場合は、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になることがあります。

また、歯列のズレが少ないきれいな歯並びを目指すケースも、スペース確保のために抜歯が検討されます。

抜歯する歯は、小臼歯(前歯から4・5番目にあたる歯)が選ばれることが多いです。

小臼歯が「埋伏歯」(まいふくし)といって、歯ぐきの下やあごの骨の中に埋まって出てこない状態の場合でも埋まっている歯を抜歯し、そのスペースに八重歯を移動させます。

なお、小臼歯は抜歯をしても、噛み合わせに大きな影響がないと考えられています。

歯を抜かずに矯正できる場合

歯の重なりが軽度である場合やあごが大きい場合は、歯を並べるスペースが確保しやすいため、抜歯不要で八重歯の矯正ができる可能性があります。

また、「年齢」も抜歯が必要かどうかを左右するポイントのひとつ。成長期であればあごの骨を広げることでスペースを確保し、歯を抜かずに矯正できる可能性が高いです。その点、成人になるとあごの骨が固まってしまうため、歯を抜かずに矯正できる可能性が低くなります。

いずれにしても、矯正における抜歯の有無は、歯並びの状態や希望によって異なります。まずはクリニックで相談しましょう。

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八重歯矯正で顔が変わる?

八重歯矯正で顔が変わる?

八重歯矯正で顔が変わるかどうかは、さまざまな要因によって左右され個人差もあります。

一般的には、抜歯をしたほうが顔の変化は大きくなる傾向にあり、人によっては口元の突出が改善されることもあります。

顔の歪みや横顔の印象が変わることがあるので、ここでは八重歯矯正による顔の変化について説明していきます。

顔の歪みが改善

八重歯が原因で噛み合わせが悪かったり、口周りの筋肉のバランスが崩れたりしている場合は、矯正によって顔の歪みの改善が期待できます。

歯並び改善によって噛み合わせがよくなれば顔の筋肉のバランスが整い、「エラの張り」「ほうれい線の深さ」などが改善されることもあります。

横顔の変化

八重歯が原因で口元が前に出ているケースでは、矯正によって口元が引っ込み、鼻先とあごの先端を結んだ線(Eライン)と唇の位置が改善されます。

これにより、横顔のバランスが整い、より美しい顔立ちになる可能性があります。

また、エラが張っている場合は、矯正によって噛み合わせが改善され、エラが目立たなくなる効果も期待できるでしょう。

ただ、八重歯矯正にあたって抜歯が必要な場合は口元が引っ込みすぎる可能性もあり、逆にバランスが悪く見えてしまうことも考えられます。

八重歯をそのままにしておくリスク

八重歯をそのままにしておくリスク

八重歯はチャーミングな笑顔のポイントとして愛される一方で、実は虫歯や歯周病などのリスクをともないます。

ここでは、八重歯を放置するリスクについて解説します。

虫歯や歯周病のリスク

八重歯のリスクとして代表的なのが虫歯や歯周病です。

八重歯は隣の歯と重なり合っていることが多いため、歯と歯の間に隙間ができやすくなります。虫歯や歯周病の原因となる歯垢が、隙間にたまりやすくなるので、歯ブラシの際には注意して磨くよう意識しましょう。

また、 八重歯は噛み合わせに悪影響を与えることも多く、歯全体に均等に力が加わらず特定の歯に負担をかけてしまいます。この過剰な負担によって歯周組織が傷つき、それが原因で歯周病を引き起こされることも。さらに、噛み合わせが悪いと歯周ポケットが深くなり、歯周病菌が侵入しやすくなります。

噛み合わせが悪くうまく噛めない

八重歯があることによって、食べ物を歯全体で噛めないことがあります。食べ物をしっかりと咀嚼できないと消化不良を起こしやすくなり、胃腸に負担がかかります。その結果、胃痛や便秘などの症状を引き起こすことも考えられるでしょう。

さらに、噛み合わせが悪いことであごに過度な負担がかかると、顎関節症の発症リスクが高まります。

八重歯矯正が可能かどうかは歯科クリニック医で判断しましょう

八重歯矯正が可能かどうかは歯科クリニック医で判断しましょう

八重歯はチャームポイントにもなりますが、あまりに歯の重なりが大きいと虫歯や歯周病にもつながってしまいます。「八重歯を引っ込めたい」「歯の健康を損ないたくない」という方は、歯科矯正を検討してみましょう。

軽度であれば部分矯正で改善が期待でき、矯正器具が目立ちにくいマウスピース矯正でも対応できます。もちろん八重歯の矯正は、人によって治療方法や治療期間が異なります。自分で判断するのは難しいので、八重歯が気になる方は歯科医院に相談しましょう。

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