続けているうちに、冷たいものがしみる、歯ぐきがヒリヒリする、朝起きると歯ぐきの縁が痛む。こうした感覚が同時に出てくると、まとめて「ホワイトニングのせいで痛い」と受け取ってしまいます。そして対処法を1つ試しても変わらず、余計に不安になる。
ここには理由があります。ホワイトニングで起こる痛みは1種類ではなく、原因も対処もまったく違うものが混ざっているからです。しみるのか、歯ぐきに薬剤が触れたのか、マウスピースが当たっているのか、それとも別の原因があるのか。まずこの切り分けをすると、手元でできることと、歯科医師に確認したほうがいいことがはっきりします。
ホワイトニングの痛みは4種類ある
最初に全体像を示します。
| 種類 | 症状の出方 | 原因 | 対処の方向 |
|---|---|---|---|
| ① しみる | 冷たいもので歯がキーンとする | 薬剤が歯に作用したことによる知覚過敏 | 休む・抑制剤・条件の調整 |
| ② 歯ぐきのヒリヒリ | 歯ぐきがピリピリする、白っぽくなる | あふれた薬剤が歯ぐきに触れた | 洗い流す・量を減らす |
| ③ 擦れる痛み | 歯ぐきの縁が擦れたように痛む | マウスピースの当たり(薬剤とは無関係) | 適合の調整 |
| ④ ズキズキする痛み | 何もしなくても痛む、噛むと痛む | 別の原因の可能性 | 歯科医師に確認 |
ここで押さえておきたいのは、これらが同時に起きていることがあるという点です。しみる感じと歯ぐきのヒリヒリが同時に出ていれば、原因は2つあることになります。片方だけに対処しても、もう片方は残ります。
対処法を試して変わらなかった場合、効かなかったのではなく、別の原因に対する対処だった可能性があります。順に見ていきます。
①冷たいものでしみる|知覚過敏
最も多いのがこれです。冷たい飲み物や外気でキーンとする感覚が出ます。
原因は、歯の表面をおおう膜が一時的に失われ、外からの刺激が神経に伝わりやすくなることです。歯が溶けたり弱くなったりしているわけではありません。
対処は3つの方向に分かれます。数日休んで膜の回復を待つ、知覚過敏抑制剤で刺激の通り道を塞ぐ、薬剤の濃度や装着時間を調整して刺激の量を減らす。どれか1つではなく、状況に応じて組み合わせられます。
このタイプについては、仕組みから続ける・止めるの判断基準まで「ホワイトニングで知覚過敏になる仕組み|原因別の対処法と、続ける・止めるの判断基準」に詳しくまとめています。しみる感覚が中心であれば、そちらをご覧ください。
②歯ぐきがヒリヒリする|薬剤の付着
歯ではなく歯ぐきに症状が出ている場合は、原因が別です。
なぜ起こるか
マウスピースに入れたジェルの量が多いと、装着したときにあふれて歯ぐきに触れます。薬剤が歯ぐきに接触すると、ピリピリとした刺激や、その部分が白っぽくなる変化が起こることがあります。
歯の内部に作用させるための薬剤なので、歯ぐきに長く触れることは想定されていません。量の問題であって、薬剤そのものが強すぎるということではない場合がほとんどです。
その場でできる対処
気づいた時点でマウスピースを外してください。そのうえで、うがいを何度か行い、歯ぐきについた薬剤を洗い流します。マウスピースも洗浄しておきます。
多くの場合、薬剤を洗い流せば短時間で落ち着くとされています。白っぽくなった部分も、時間の経過とともに戻ることが一般的です。
ただし、痛みや白っぽさが長く続く場合、あるいは範囲が広がる場合は、自己判断で続けずに歯科医師に確認してください。
次回からの予防
対処より確実なのは、あふれさせないことです。ジェルの量を減らす、装着したあとにあふれた分を拭き取る、という操作で防げます。
適量の目安と入れ方については「ホームホワイトニングのやり方|ジェルの量・装着時間・使用後のケアを手順で解説」で具体的に説明しています。量を増やしても白くなる速さは変わらないため、減らすことによる不利益はありません。
③歯ぐきの縁が擦れて痛む|マウスピースの当たり
3つ目は、薬剤とはまったく関係のない痛みです。
物理的な刺激による痛み
マウスピースの縁が歯ぐきに当たっていたり、形が合っていなかったりすると、擦れて痛むことがあります。長く続くと、その部分に口内炎ができることもあります。
これは薬剤の作用ではなく、物理的な接触によるものです。
見分け方
②との区別がつきにくいことがありますが、いくつかの特徴で分かれます。
痛む場所が特定の1箇所に限られている、外している時間帯は痛くない、冷たいものとはまったく関係がない、装着するたびに同じ場所が痛む。こうした特徴があれば、当たりによる痛みの可能性が高くなります。
対処
ここが重要な点です。この痛みは、薬剤の濃度を下げても、ジェルの量を減らしても解決しません。原因がマウスピースの形にあるためです。
対処としては、適合の調整や作り直しが必要になります。自分でマウスピースを削ったり切ったりすると、形が崩れて薬剤が漏れる原因になるため、避けてください。当たっている場所を伝えて、調整を相談するのが確実です。
歯科で作るマウスピースは歯型をとって一人ひとりの形に合わせて作られます。市販の既製品との違いについては「ホームホワイトニングのマウスピースはどう作る?市販との違い・費用・通わずに作る方法」で整理しています。
④何もしなくてもズキズキする|別の原因の可能性
4つ目は、ここまでの3つとは性質が違います。
刺激がないのに痛む、噛んだときに痛む、特定の1本だけが強く痛む、歯ぐきの腫れを伴う。こうした症状は、ホワイトニングによる一時的な変化の範囲を超えている可能性があります。
背景に、むし歯や歯周病、歯の内部の炎症などがあることがあります。むし歯がある状態で薬剤を使うと、欠けた部分から薬剤が入り込んで強い症状につながることがあるためです。むし歯とホワイトニングの関係については「虫歯があるとホワイトニングはできない?受けられない理由と、治療との正しい順番」で整理しています。
このタイプの症状が出た場合は、自己判断で続けずに歯科医師の確認を受けてください。休めば治まるという前提で待つと、原因のほうが進むことがあります。受けられないケースや先に治療が必要になる場合については「ホワイトニングはしない方がいい?言われる理由と、受けられない人・向かない人の違い」でまとめています。
いつまで続くのか
「我慢していれば治まるのか」という点は、種類によって答えが変わります。
| 種類 | 期間の目安 | 待てば治まるか |
|---|---|---|
| ① しみる | 一過性であることが多い | 多くは落ち着いていくとされる |
| ② 歯ぐきのヒリヒリ | 薬剤を洗い流せば短時間で | 洗い流せば落ち着くことが多い |
| ③ 擦れる痛み | 原因が残る限り繰り返す | 待っても解決しない |
| ④ ズキズキする痛み | — | 待つ前提で考えない |
①と②は、時間の経過や適切な対処によって落ち着いていくことが多いとされています。
一方、③は待っていても解決しません。マウスピースの形という原因が残ったままなので、装着するたびに同じ場所が痛みます。調整するまで繰り返すことになります。
そして④は、そもそも待つべきものではありません。原因が別にある可能性があるため、確認が先です。
つまり、「我慢すれば治まる」が当てはまるのは①と②だけです。ここを混同すると、解決しない痛みを我慢し続けることになります。
痛みを出しにくい進め方
これから始める場合、あるいは仕切り直す場合に、痛みを出しにくくする方法があります。
始める前にむし歯や歯周病を確認しておくこと。④のタイプを避けるうえで最も効きます。歯科医院で受ける場合はこの確認が入りますが、自己判断で始めた場合は抜けます。
ジェルの量を守ること。②は量の問題であることがほとんどなので、適量を守れば起こりにくくなります。
濃度と時間を状態に合わせて決めること。①は濃度が高いほど出やすい傾向があります。濃度と装着時間は交換関係にあるため、濃度を下げて時間を長めにとるといった組み替えができます。この関係については「ホームホワイトニングのジェルとは?成分・濃度の違いと、選ぶのではなく決まる理由」で説明しています。
症状が出たときの手当てを手元に置いておくこと。知覚過敏抑制剤があれば、①が出たときにその場で対応できます。
相談できる先を確保しておくこと。③や④は自分では判断しにくいため、聞ける相手がいるかどうかで対応の速さが変わります。
東京新宿矯正歯科での備え
当院での構成をご説明します。
ホワイトニングキットには、知覚過敏抑制剤を同梱しています。しみる症状が出たときに、あらためて取り寄せたり買いに行ったりする必要がないようにするためです。
マウスピースは歯型をとって作るオーダーメイドです。既製品と比べて歯の形に沿うため、③の擦れによる痛みが起こりにくい設計になっています。それでも当たりを感じる場合は、削らずにご相談ください。
進め方の調整や、痛みが出たときの判断に迷うときは、LINEやビデオ通話で歯科医師に相談できます。来院せずに確認できるため、通院の時間を取りにくい方でも、その場で判断を仰げます。
自宅で行うホームホワイトニングは、マウスピースをお持ちの場合が月々11,000円(税込)、お持ちでない場合は初月22,000円(税込・マウスピース作成込み)で次月以降が11,000円(税込)です。マウスピースの作成が必要な場合のみ来院となり、来院は最低1回※です。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
※ホームホワイトニングは保険適用外の自由診療です。標準費用はマウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込))。期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。副作用・リスクとして、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。効果や感じ方には個人差があります。
歯科医院で受ける方法もご用意しているため、症状に応じて進め方を変えることもできます。自宅で行う方法の全体像は「ホームホワイトニングとは?費用・期間・やり方と「通院なしでできる範囲」を解説」で説明しています。
ホワイトニングの痛みに関するよくある質問
痛いときは中止したほうがいいですか?
種類によります。冷たいものでときどきしみる程度であれば、休む・抑制剤を使う・条件を調整するといった対処をしながら続けられる場合があります。歯ぐきに薬剤が触れたことによるものであれば、洗い流したうえで次回から量を減らせば続けられます。一方、マウスピースの当たりによるものは調整が必要で、何もしなくてもズキズキする場合は続けずに確認を受けてください。
市販の鎮痛剤を飲んでもいいですか?
自己判断で対応する前に、歯科医師にご相談ください。痛みの原因によっては、鎮痛剤で抑えているあいだに原因のほうが進むことがあります。特に、何もしなくても痛む場合は、痛みを抑えるより原因を確認するほうが先になります。
歯ぐきが白くなったのですが大丈夫ですか?
薬剤が歯ぐきに触れたことによる変化であることが多く、薬剤を洗い流せば時間の経過とともに戻ることが一般的です。まずマウスピースを外し、うがいで洗い流してください。ただし、白っぽさや痛みが長く続く場合、範囲が広がる場合は、自己判断で続けずに歯科医師にご相談ください。
濃度を下げたのに痛みが変わりません。なぜですか?
痛みの種類が違う可能性があります。濃度が効くのは、薬剤が歯に作用したことによるしみる症状です。マウスピースの当たりによる擦れや、別の原因による痛みには、濃度は関係しません。痛む場所、外している間も痛むか、冷たいものと関係があるかを確かめると、種類の見当がつきます。
オフィスとホームではどちらが痛みが出やすいですか?
出方の性質が違います。歯科医院で受ける方法は高い濃度の薬剤を使うため、1回あたりでしみる感覚が出やすい傾向があります。自宅で行う方法は濃度が低い分ゆるやかですが、毎日続けるため蓄積して感じられることがあります。また、歯ぐきの付着やマウスピースの当たりは、自宅で行う方法に特有のものです。
痛みが出やすい人の特徴はありますか?
エナメル質が薄くなっている方、歯ぐきが下がって歯の根元が露出している方、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方などは、しみる症状が出やすい傾向があるとされています。また、むし歯や歯周病がある状態で始めると症状が出やすくなります。詳しい条件は「ホワイトニングで知覚過敏になる仕組み|原因別の対処法と、続ける・止めるの判断基準」で整理しています。
まとめ|切り分ければ、やることが決まる
ホワイトニングの痛みは4種類に分かれます。冷たいものでしみる知覚過敏、あふれた薬剤が歯ぐきに触れたことによるヒリヒリ、マウスピースの当たりによる擦れ、そして何もしなくてもズキズキする別の原因によるもの。原因が違うため、対処もそれぞれ違います。
対処を試しても変わらなかった場合、効かなかったのではなく、別の原因に対する対処だったという可能性があります。まずは、痛む場所はどこか、外している間も痛むか、冷たいものと関係があるかを確かめてみてください。それだけで種類の見当がつきます。
そして、待っていれば治まるのは、しみる症状と歯ぐきへの付着の2つだけです。マウスピースの当たりは調整するまで繰り返し、何もしなくても痛む場合は原因の確認が先になります。判断に迷うときは、症状が軽いうちに相談しておくほうが、結果的に休む期間も短く済みます。ホワイトニングで起こりうる不利な面の全体像は「ホワイトニングのデメリット一覧|一時的なもの・続くもの・対処できるものに分けて解説」にまとめています。
東京新宿矯正歯科のホワイトニング
各線「新宿駅」から徒歩5分。クリニックで施術する「オフィスホワイトニング」と、自宅で続ける「ホームホワイトニング」の両方に対応しています。目指す白さや生活スタイルに合わせて、当日ご相談のうえプランをお選びいただけます。
| メニュー | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| オフィスホワイトニング (スタンダードプラン) | 4,980円〜 (3回施術の総額 14,940円) | 過酸化水素配合のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| オフィスホワイトニング (ブーストプラン) | 16,500円 | 過酸化水素35%のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| ホームホワイトニング | 初月11,000円 (マウスピースをお持ちでない場合は初月22,000円) 次月以降 11,000円/月 | オンライン診療のうえ、オーダーメイドマウスピースとホワイトニングジェル(濃度10%)を自宅へ配送します |
※オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングはいずれも保険適用外の自由診療です。
※オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品です。国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。
※リスク・副作用:個人差がありますが、一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。ホームホワイトニングでは、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。
※詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。
※効果の程度・持続期間には個人差があります。ホームホワイトニングの標準費用は、マウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合)。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込)がかかります。
※期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、診療にもとづいて決定されます。
