通販サイトには「ホワイトニングジェル」という名前の商品が数千円で並んでいます。一方、歯科医院で一式そろえると数万円かかると聞く。同じ名前で呼ばれているのに、この差は何なのか。そして濃度が10%、20%、35%と幅があるのを見て、どれを選べばいいのか決めかねる。そんな状態で手が止まってしまうことがあります。
先に結論を書くと、ホームホワイトニングで使うジェルは、商品カタログから自分で選ぶ性質のものではありません。歯の状態と、1日にどれだけ装着時間を確保できるかによって、濃度と使用時間がセットで決まるものです。だから「どれがおすすめか」を探しても、判断の軸が見つかりません。ここでは、ジェルの成分と濃度がどういう関係にあるのか、通販に並んでいるものと歯科で処方されるものは何が違うのか、そして1本でどのくらい持つのかまで整理します。
ホームホワイトニングのジェルとは
まず、このジェルが何をするものなのかを確認します。
ホームホワイトニングは、歯科で作ったマウスピースにジェルを入れて装着し、一定時間、薬剤を歯に触れさせる方法です。ジェルはその薬剤にあたります。
働きかける場所は、歯の表面ではなく内側です。歯の内部に沈着した色素を分解することで、歯そのものの色を明るくします。表面についた着色汚れを落とす製品とは、目的が異なります。表面の着色と内部の色の違いについては「歯の黄ばみを取る方法は原因で変わる|表面の着色と内部の色の見分け方から解説」で整理しています。
歯科医院で受けるオフィスホワイトニングでも薬剤を使いますが、そちらは濃度も使い方も異なります。ホームホワイトニング全体の流れは「ホームホワイトニングとは?費用・期間・やり方と「通院なしでできる範囲」を解説」でまとめています。
成分は2系統ある
ホワイトニングに使われる薬剤の主成分は、大きく2つに分かれます。
| 過酸化尿素 | 過酸化水素 | |
|---|---|---|
| 作用の速さ | ゆるやか | 速い |
| 主に使われる場面 | 自宅で行う方法 | 歯科医院での施術 |
| 1回の時間 | 長め(時間をかける) | 短め(1回で集中) |
過酸化尿素
自宅で行うホームホワイトニングでは、こちらが主に使われます。口の中で分解され、時間をかけてゆるやかに作用するのが特徴です。
作用が穏やかな分、1回あたりの装着時間は長めになります。毎日続けて少しずつ進めていく設計です。
過酸化水素
歯科医院での施術で主に使われる成分です。作用が速く、1回の施術で集中的に進めます。専用の照射器と組み合わせて使われることもあります。
歯科医院で受ける施術の内容については「オフィスホワイトニングとは?1回でどこまで白くなる・所要時間・総額の目安を解説」で説明しています。
どちらが優れているという話ではない
この2つは、優劣ではなく設計の違いです。短時間で集中的に進めるか、時間をかけてゆるやかに進めるか。どちらの進め方が生活に合うかによって、選ばれる薬剤が変わります。
濃度と使用時間はセットで決まる
ジェルには濃度の表示があります。10%、15%、20%以上といった数字です。ここで多くの方が「高いほうが早いのでは」と考えますが、そう単純ではありません。
濃度別の目安
| 濃度の区分 | 1回の装着時間の目安 | 進み方 |
|---|---|---|
| 10%前後(低め) | 2〜8時間程度 | ゆるやか |
| 15%前後(中程度) | その中間 | 中間 |
| 20%以上(高め) | 30分〜1時間程度 | 速め |
数字を見比べると分かるとおり、濃度が高いほど1回の装着時間は短くなります。濃度が低ければ、その分長く装着する設計です。
つまり、濃度は「どこまで白くなるか」を決める数字ではなく、「1回にどれだけの時間をかけるか」を決める数字だと考えるほうが実態に近くなります。
高い濃度が優れているわけではない
濃度を上げれば到達点がどこまでも上がる、という関係にはなっていません。到達する明るさを決めるのは、もともとの歯の色やエナメル質の状態といった別の要因です。この点については「ホームホワイトニングの効果|変化までの期間・どこまで白くなるか・持続をそれぞれ解説」で4つの要因に分けて整理しています。
高い濃度が向くのは、1日に長い装着時間を確保しにくい場合です。逆に、夜間など長く装着できる時間があるなら、低い濃度でゆっくり進めるほうが負担は軽くなります。
濃度が高いほどしみやすくなる傾向がある
もう一つ、判断に関わる点があります。濃度が高いほど、歯がしみる症状が出やすくなる傾向があります。
そのため、知覚過敏が出やすい方には低めの濃度が選ばれることがあります。歯の状態を確認したうえで決めるのは、この調整が必要になるためです。
ここまでを整理すると、濃度は歯の状態と1日に確保できる装着時間の掛け合わせで決まります。どちらも人によって違うため、商品を比べても答えが出ないわけです。
「市販のジェル」が指すものは2つある
次に、通販や店頭で見かける製品について整理します。ひとくちに市販といっても、性質の異なるものが混ざっています。
| 国内で流通している製品 | 海外から個人で取り寄せる製品 | 歯科で処方されるもの | |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 表面の着色を落とす・つきにくくする | 内部の色素に働きかける | 内部の色素に働きかける |
| 作用する場所 | 歯の表面 | 歯の内部 | 歯の内部 |
| 濃度の決まり方 | 製品ごとに固定 | 製品ごとに固定 | 歯の状態に合わせて決まる |
| 事前の確認 | なし | なし | 口の中を確認したうえで処方 |
国内で流通している製品
ドラッグストアや通販で手に入る製品の多くは、歯の表面についた着色を落とす、あるいはつきにくくすることを目的としています。歯磨き粉と同じ方向性の製品です。
日本国内では、歯の内部の色素を分解する濃度の薬剤は、歯科医師の管理のもとで使われます。棚に並んでいる製品にその作用は含まれていません。表面の着色に対しては役に立つため、目的が合っていれば選択肢になります。この種の製品については「ディノベートとはどんな製品?成分の役割と、歯科のホワイトニングとの違いを解説」で成分の役割を説明しています。
海外から個人で取り寄せる製品
海外では、日本と異なる基準で漂白成分入りのジェルが流通しています。個人で取り寄せること自体はできますが、いくつか押さえておきたい違いがあります。
日本語の説明書がない場合があること。自分の歯の状態を確認しないまま使うことになること。むし歯や歯周病がある状態で使えばしみやすくなり、詰め物や被せ物があればその部分は色が変わらないまま周囲だけが明るくなります。何かあったときに相談する先がないことも、実際には負担になります。
製品そのものの良し悪しではなく、確認する工程が入るかどうかが違いです。
歯科で処方されるもの
歯科医院では、口の中の状態を確認したうえで濃度と使用時間が決まります。むし歯や歯周病があれば先に治療が必要になることもあり、詰め物や被せ物の位置も確認されます。
この工程があるため、「どれを買うか」を自分で決める場面がそもそも発生しません。冒頭で「選ぶものではない」と書いたのは、この意味です。
ジェルとマウスピースはセットで機能する
ジェルだけを別に調達すれば安く済むのではないか、という発想は自然なものです。ただ、ジェルは単体では働きません。
薬剤が作用するのは、歯の表面に密着している時間だけです。マウスピースの役割は、ジェルを歯に押し当てた状態で保つことにあります。適合が合っていないと、薬剤が歯に届かずに漏れたり、歯ぐきに流れて刺激になったりします。
歯科で作るマウスピースは、歯型をとって一人ひとりの歯の形に合わせて作られます。市販のものとの違いや作り方については「ホームホワイトニングのマウスピースはどう作る?市販との違い・費用・通わずに作る方法」で整理しています。
つまり、ジェルの濃度・マウスピースの適合・装着時間の3つがそろって初めて設計どおりに進みます。ジェルの量や入れ方といった実際の手順については「ホームホワイトニングのやり方|ジェルの量・装着時間・使用後のケアを手順で解説」で具体的に説明しています。
1本でどのくらい持つのか
続けることを考えると、1本あたりの持ちと補充の仕方は判断材料になります。
一般には、1本あたり1週間程度で使い切るペースが目安とされています。ただし1回の使用量や装着の回数によって変わるため、これも幅のある話です。
Oh my teethのホームホワイトニングでは、オンライン診療で処方したあと、ホワイトニングキットを自宅へ配送しています。キットの内容は、オーダーメイドのマウスピース、濃度10%のホワイトニングジェル4本(1ヶ月分)、知覚過敏抑制剤です。送料はかかりません。
続ける場合は月ごとの継続となり、マウスピースをお持ちの場合は月々11,000円(税込)、お持ちでない場合は初月22,000円(税込・マウスピース作成込み)で次月以降が11,000円(税込)です。マウスピースの作成が必要な場合のみ来院となり、歯型スキャンの所要は約15分です。それ以降の通院は不要で、来院は最低1回※で済みます。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
※ホームホワイトニングは保険適用外の自由診療です。標準費用はマウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込))。期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。副作用・リスクとして、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。効果や感じ方には個人差があります。
費用の全体像や、施術費以外にかかるものについては「ホワイトニングの値段はいくら?種類別の相場と、施術費以外にかかる費用を解説」で整理しています。
ジェルの保管と使用期限
ジェルは薬剤なので、扱い方に注意が必要です。
高温になる場所や直射日光の当たる場所は避けます。製品によっては冷蔵での保管が指示される場合もあります。車内に置いたままにする、洗面所の日の当たる棚に置く、といった保管は避けたほうが無難です。
使用期限も設定されています。長く保管したものを使うと、想定どおりに働かない可能性があります。
保管方法や期限は製品によって異なるため、処方時の指示に従ってください。判断に迷う場合は、使う前に確認するほうが確実です。
しみたときは濃度と時間で調整できる
装着中や装着後に歯がしみることがあります。この場合、すぐに中止と決まるわけではありません。
対応としては、数日休む、知覚過敏を抑える薬剤を併用する、濃度を下げる、装着時間を短くするといった方法があります。濃度と時間はセットで設計されているため、どちらを動かすかで調整の幅が生まれます。
東京新宿矯正歯科でお届けするホワイトニングキットには、知覚過敏抑制剤を同梱しています。症状が出たときにあらためて取り寄せる必要がないようにするためです。調整に迷うときは、LINEやビデオ通話で歯科医師に相談できる体制もとっています。
ただし、数日経っても症状が引かない場合や、強くなっていく場合は、自己判断で続けずに歯科医師の確認を受けてください。しみる症状を含めたホワイトニングの不利な面については「ホワイトニングのデメリット一覧|一時的なもの・続くもの・対処できるものに分けて解説」で整理しています。
ホームホワイトニングのジェルに関するよくある質問
ジェルはドラッグストアで買えますか?
歯の表面の着色を落とすことを目的とした製品であれば、店頭や通販で購入できます。ただし、歯の内部の色素を分解する濃度の薬剤は、日本国内では歯科医師の管理のもとで使われるものです。棚に並んでいる製品と、歯科で処方されるものは目的が異なります。
濃度が高いほうが早く白くなりますか?
濃度が高いと1回の装着時間は短くなりますが、到達する明るさが変わるわけではありません。濃度は「1回にどれだけ時間をかけるか」を決める要素で、どこまで白くなるかはもともとの歯の色や状態によって決まります。また、濃度が高いほどしみる症状が出やすくなる傾向があります。
海外製のジェルを個人で取り寄せて使ってもいいですか?
取り寄せること自体はできますが、注意が必要です。自分の歯の状態を確認しないまま使うことになるため、むし歯や歯周病がある場合にしみやすくなったり、詰め物の色は変わらないまま周囲だけが明るくなったりする可能性があります。日本語の説明書がない場合もあり、何かあったときの相談先もありません。使う前に歯科医師に相談することをおすすめします。
ジェル1本でどのくらい使えますか?
一般には1週間程度で1本を使い切るペースが目安とされています。1回の使用量や装着の回数によって変わります。Oh my teethのホワイトニングキットは、濃度10%のジェル4本で1ヶ月分という構成です。
ジェルだけを買い足すことはできますか?
ジェルは処方を受けて手に入れるものなので、商品として単独で購入する形にはなりません。続ける場合は月ごとの定期便としてキットが届き、すでにマウスピースをお持ちであれば、その分の費用がかからない設定になっています。定期便は次回決済日の前日までにご連絡いただければ解約できます。
ジェルを多く入れれば早く白くなりますか?
なりません。量を増やしても作用が比例して強まるわけではなく、あふれた薬剤が歯ぐきに触れて刺激になることがあります。適量の目安や入れ方は「ホームホワイトニングのやり方|ジェルの量・装着時間・使用後のケアを手順で解説」で具体的に説明しています。
まとめ|選ぶのは製品ではなく進め方
ホームホワイトニングのジェルは、成分で見ると過酸化尿素と過酸化水素の2系統に分かれます。自宅で行う方法では、ゆるやかに作用する過酸化尿素が主に使われます。
濃度は「どこまで白くなるか」ではなく「1回にどれだけ時間をかけるか」を決める数字です。高い濃度は短時間で、低い濃度は長時間かけて進める設計になっており、どちらが優れているという関係にはありません。濃度が高いほどしみやすくなる傾向もあるため、歯の状態と確保できる装着時間の両方から決まります。
通販に並ぶ製品と歯科で処方されるものは、目的も、事前に確認する工程があるかどうかも違います。「どれを買うか」で迷っているのであれば、まず自分の歯がどういう状態で、1日にどのくらい装着できるのかを整理してみてください。そこが決まれば、使う濃度も時間も自然に定まります。
東京新宿矯正歯科のホワイトニング
各線「新宿駅」から徒歩5分。クリニックで施術する「オフィスホワイトニング」と、自宅で続ける「ホームホワイトニング」の両方に対応しています。目指す白さや生活スタイルに合わせて、当日ご相談のうえプランをお選びいただけます。
| メニュー | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| オフィスホワイトニング (スタンダードプラン) | 4,980円〜 (3回施術の総額 14,940円) | 過酸化水素配合のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| オフィスホワイトニング (ブーストプラン) | 16,500円 | 過酸化水素35%のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| ホームホワイトニング | 初月11,000円 (マウスピースをお持ちでない場合は初月22,000円) 次月以降 11,000円/月 | オンライン診療のうえ、オーダーメイドマウスピースとホワイトニングジェル(濃度10%)を自宅へ配送します |
※オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングはいずれも保険適用外の自由診療です。
※オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品です。国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。
※リスク・副作用:個人差がありますが、一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。ホームホワイトニングでは、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。
※詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。
※効果の程度・持続期間には個人差があります。ホームホワイトニングの標準費用は、マウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合)。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込)がかかります。
※期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、診療にもとづいて決定されます。
