パッケージに惹かれて手に取り、「ホワイトニング」と書かれたラインを選んだ。ところが1ヶ月使っても、歯の色が変わった実感がない。使い方が悪いのか、それとも期待するものが違ったのか。口コミを見ても、白くなったという声と変わらないという声が両方あって、判断がつきません。
ここで手がかりになるのは、口コミではなくメーカー自身の説明です。公式によると、この製品のホワイトニング効果は「ブラッシングによる歯垢除去によって生まれるもの」とされています。 つまり、歯の内部を漂白するものではありません。製品名の「ホワイトニング」と、歯科で行うホワイトニングは、別のことを指しています。 この違いが分かると、期待の置きどころが決まります。
マービスとはどういう製品か
まず、公式で確認できる範囲で整理します。
マービス(MARVIS)は、イタリア・フィレンツェ発のデンタルケアブランドです。複数のフレーバーのラインがあり、そのひとつに「ホワイト・ミント」があります。
歯みがき類全般が歯の色に対して何をするものなのかについては「ディノベートとはどんな製品?成分の役割と、歯科のホワイトニングとの違いを解説」で、成分の役割と黄ばみの原因の関係から整理しています。本記事では、この製品に固有の点に絞って見ていきます。
公式が説明している作用
最も確かな手がかりは、メーカー自身の説明です。
公式サイトによると、ホワイト・ミントのホワイトニング効果は、ブラッシングによる歯垢除去によって生まれるものとされています。
この説明が意味するところは明確です。歯の内部に沈着した色素を分解して漂白するのではなく、歯の表面に付いたものを落とすことで、歯本来の色に近づける方向の作用ということになります。
つまり、到達点は「その人の歯そのものの色」までです。それを超えて明るくする性質のものではありません。
口コミの評価が割れるのは、この点が理由として考えられます。表面の着色が多かった方は変化を感じやすく、もともと着色が少なかった方や、歯そのものの色を明るくしたかった方は変化を感じにくい。同じ製品でも、期待の置きどころによって受け取り方が変わります。
「ホワイトニング」は2つの意味で使われている
ここが混乱の元になっている部分です。同じ「ホワイトニング」という言葉が、別のものを指して使われています。
| 歯科のホワイトニング | 製品名の「ホワイトニング」 | |
|---|---|---|
| 指しているもの | 薬剤で歯の内部の色素を分解する | 表面の汚れを落とす |
| 作用する場所 | 歯の内部 | 歯の表面 |
| 到達点 | もともとの歯の色より明るく | もともとの歯の色まで |
歯科で行うホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤を使い、歯の内部に沈着した着色の原因物質を分解します。これによって、もともとの歯の色より明るくすることができます。
一方、歯みがき類の「ホワイトニング」は、表面に付いたものを落とす方向の作用です。落とし切った先にあるのは、その人の歯そのものの色になります。
同じ言葉なので、同じことができると受け取ってしまうのは自然です。 ただ、実際に働きかける場所が違うため、できることの範囲も変わります。この構造は、セルフホワイトニングでも同じです。詳しくは「セルフホワイトニングの効果はどこまで?「白くならない」ではなく対象が違う理由を解説」で整理しています。
含水シリカ(研磨剤)は何をしているか
成分表示を見て、研磨剤という言葉に不安を持つ方もいます。ここも確認しておきます。
公式の成分表示には、含水シリカ(研磨剤)とピロリン酸4Na(緩衝剤)が含まれています。
研磨剤は、歯の表面に付いた着色を物理的に落とす成分です。歯みがき類に広く使われているもので、この製品に固有のものではありません。前章の「表面の汚れを落とす」という作用を担っているのが、この成分にあたります。
通常の使い方であれば問題になりにくい
研磨剤を含む歯みがき類は一般的で、通常の使い方であれば問題になりにくいとされています。
ただし、条件があります。強い力で長時間磨けば、歯の表面の摩耗につながる可能性があります。これも製品固有の話ではなく、研磨剤を含む歯みがき類に共通することです。
力を入れずに磨く、やわらかめの歯ブラシを使う。この2点を守れば、過度に心配する必要はありません。逆に、白くしたい気持ちから強く磨くと、表面が削れて細かい傷ができ、そこに色素が入り込みやすくなります。実際に歯を傷める行為については「ホワイトニングで歯がもろくなる?噂の出どころと、実際に歯を傷める行為の違い」で整理しています。
海外製品と日本の分類
もうひとつ、海外製品ならではの点があります。
日本の歯みがき類は、「化粧品」と「医薬部外品(薬用)」に分かれており、表示できる効能効果が異なります。この分類については「ディノベートとはどんな製品?成分の役割と、歯科のホワイトニングとの違いを解説」で説明しています。
海外製品は、その国の基準にもとづいて作られています。そのため、製品名やパッケージの表記が、日本の薬事上の効能を意味するとは限りません。
「ホワイトニング」という商品名やライン名も、ブランドが自社の製品を区別するための呼称であり、日本の制度における効能の表示とは別のものです。
判断のしかたとしては、名前ではなく成分表示と、メーカーが説明している作用を見るのが確実です。この製品の場合、公式が「ブラッシングによる歯垢除去による」と説明しているため、そこが答えになります。
できることの範囲
ここまでを踏まえて、目的別に整理します。
| 目的 | この製品が向いているか |
|---|---|
| 飲食物やたばこによる表面の着色を落とす | 向いている |
| 着色をつきにくくする | 向いている |
| もともとの歯の色を明るくする | 対象が違う |
| 加齢による内側の色の変化 | 対象が違う |
| 詰め物・被せ物の色 | 変わらない |
上の2つが目的であれば、この製品は目的に合っています。日々のケアとして使い続ける意味があります。
下の3つが目的であれば、働きかける場所が違うため、使い続けても届きません。1ヶ月使っても変化がないという場合、目的がこちらだった可能性があります。
自分の歯の色がどちらによるものかは、いくつかの特徴から見当がつきます。見分け方は「歯の黄ばみを取る方法は原因で変わる|表面の着色と内部の色の見分け方から解説」にチェック表を用意しています。
歯科で行う方法との役割の違い
対象が違うことを踏まえて、位置づけを並べておきます。
| この製品 | 歯科のクリーニング | 歯科のホワイトニング | |
|---|---|---|---|
| 作用する場所 | 歯の表面 | 歯の表面 | 歯の内部 |
| 到達点 | もともとの歯の色まで | もともとの歯の色まで | もともとの歯の色より明るく |
| 使う場面 | 日々のケア | 定期的に | 目的に応じて |
表面の着色を落とすという目的では、この製品も歯科のクリーニングも同じ方向を向いています。違いは、歯石まで落とせるかどうかと、口の中の状態を同時に確認してもらえるかどうかです。
もともとの歯の色より明るくしたい場合は、歯科のホワイトニングが対象になります。それぞれの内容は「オフィスホワイトニングとは?1回でどこまで白くなる・所要時間・総額の目安を解説」「ホームホワイトニングとは?費用・期間・やり方と「通院なしでできる範囲」を解説」で説明しています。
選ぶ基準は「安いほう」ではなく「目的に合うほう」です。方法の選び方については「ホワイトニングのおすすめは条件で変わる|5つの質問で自分に合う方法を選ぶ」で判断の軸を整理しています。
東京新宿矯正歯科で受けられる方法
もともとの歯の色を明るくしたい場合の選択肢として、当院のメニューをご案内します。作用する場所も内容も異なるため、金額だけを並べて比べられるものではない点は、先に申し添えておきます。
歯科医院で受けるオフィスホワイトニングは、スタンダードプランが4,980円(税込)からで、3回施術を受けた場合の総額は14,940円(税込)です。より高い濃度で進めたい場合は、過酸化水素35%のホワイトニング剤を使用するブーストプランがあり、16,500円(税込)です。プランは当日、歯科衛生士と相談しながら選べます。来院は最低1回※です。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります
※オフィスホワイトニングは保険適用外の自由診療です。使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品で、国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。リスク・副作用として、個人差がありますが一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。効果の程度・持続期間には個人差があります。
自宅で行うホームホワイトニングは、マウスピースをお持ちの場合が月々11,000円(税込)、お持ちでない場合は初月22,000円(税込・マウスピース作成込み)で次月以降が11,000円(税込)です。
※ホームホワイトニングは保険適用外の自由診療です。標準費用はマウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込))。期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、オンライン診療にもとづいて決定されます。副作用・リスクとして、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。効果や感じ方には個人差があります。
マービスの歯磨き粉に関するよくある質問
使い続ければ歯そのものが白くなりますか?
公式の説明によると、この製品のホワイトニング効果はブラッシングによる歯垢除去によるものとされています。表面に付いたものを落とす方向の作用のため、到達点はもともとの歯の色までです。歯そのものの色を明るくする作用は含まれていません。
1ヶ月使っても変化がありません
目的が「もともとの歯の色を明るくすること」だった場合、働きかける場所が違うため変化として現れにくくなります。また、表面の着色がもともと少なかった場合も、落とすものが少ないため変化を感じにくくなります。まず自分の歯の色が何によるものかを確認すると、方向性が決まります。
研磨剤が入っていますが、歯を削っていませんか?
研磨剤は歯の表面に付いた着色を落とす成分で、歯みがき類に広く使われています。通常の使い方であれば問題になりにくいとされています。ただし、強い力で長時間磨けば表面の摩耗につながる可能性があるため、力を入れずに、やわらかめの歯ブラシで磨いてください。
歯科のホワイトニングと同じことができますか?
作用する場所が違います。歯科のホワイトニングは薬剤で歯の内部の色素を分解するもので、もともとの歯の色より明るくすることが対象になります。この製品は表面の汚れを落とす方向の作用で、到達点はもともとの歯の色までです。
海外製ですが、日本の製品と何が違いますか?
海外製品は、その国の基準にもとづいて作られています。日本の歯みがき類は化粧品と医薬部外品に分かれ、表示できる効能効果が異なりますが、海外製品の製品名やパッケージの表記が、日本の薬事上の効能を意味するとは限りません。名前ではなく、成分表示とメーカーが説明している作用を見るのが確実です。
このあとに歯科のホワイトニングを受けてもいいですか?
問題ありません。むしろ表面の着色が落ちている状態は、薬剤が歯に届きやすくなるため合理的です。歯科医院でも、ホワイトニングの前にクリーニングを行うのが一般的です。
まとめ|製品名の言葉と、期待の置きどころ
マービスのホワイトニング効果について、公式は「ブラッシングによる歯垢除去によって生まれるもの」と説明しています。歯の内部を漂白するものではなく、表面に付いたものを落とすことで歯本来の色に近づける方向の作用です。
つまり、製品名の「ホワイトニング」と、歯科で行うホワイトニングは別のことを指しています。同じ言葉なので同じことができると受け取ってしまいがちですが、働きかける場所が違います。到達点も、前者はもともとの歯の色まで、後者はそれより明るく、と変わります。
したがって、目的が表面の着色を落とすことであれば、この製品は合っています。もともとの歯の色を明るくしたいのであれば、対象が違うことになります。1ヶ月使っても変化がないという場合は、まず自分の歯の色が何によるものかを確かめてみてください。そこが決まれば、続けるべきか別の手段が要るかも決まります。
東京新宿矯正歯科のホワイトニング
各線「新宿駅」から徒歩5分。クリニックで施術する「オフィスホワイトニング」と、自宅で続ける「ホームホワイトニング」の両方に対応しています。目指す白さや生活スタイルに合わせて、当日ご相談のうえプランをお選びいただけます。
| メニュー | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| オフィスホワイトニング (スタンダードプラン) | 4,980円〜 (3回施術の総額 14,940円) | 過酸化水素配合のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| オフィスホワイトニング (ブーストプラン) | 16,500円 | 過酸化水素35%のホワイトニング剤を塗布し、専用照射器で8分×2回照射します |
| ホームホワイトニング | 初月11,000円 (マウスピースをお持ちでない場合は初月22,000円) 次月以降 11,000円/月 | オンライン診療のうえ、オーダーメイドマウスピースとホワイトニングジェル(濃度10%)を自宅へ配送します |
※オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングはいずれも保険適用外の自由診療です。
※オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤は国内未承認医薬品です。国内で同等の承認医薬品はありません。米国の正規輸入商社を通じて入手しており、米国FDAにおいて安全性が確認されています。
※リスク・副作用:個人差がありますが、一時的に歯がしみる場合があります。本製品による副作用は、国内医薬品副作用救済制度の対象外です。ホームホワイトニングでは、補綴物が取れること、装着中や装着後に歯がしみること、口内炎・擦過傷の悪化等が生じる場合があります。
※詰め物・被せ物・差し歯には十分なホワイトニング効果は期待できません。
※効果の程度・持続期間には個人差があります。ホームホワイトニングの標準費用は、マウスピースをお持ちの場合11,000円〜33,000円(税込)、お持ちでない場合22,000円〜44,000円(税込)です(1〜3か月継続した場合)。4か月目以降も継続する場合は月々11,000円(税込)がかかります。
※期間・回数は治療内容や歯の状態により異なり、診療にもとづいて決定されます。