下の歯だけ矯正するリスクとは？下の歯の矯正方法や症例を紹介

「下の前歯だけ傾いている」「下の歯のすき間を埋めたい」このような悩みは、部分矯正で解決できる可能性があります。全体矯正と比べて、費用や期間を抑えられるのがメリット。

しかし、下の歯だけを矯正する場合は、全体とのバランスが崩れてしまうリスクも。

今回は、下の歯だけの矯正について、メリット・デメリット、矯正装置の種類などについて解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

下の歯だけでも矯正治療できる？

下の前歯や一部分の歯だけでも、矯正治療で歯並びを整えられます。ただし、噛み合わせや全体のバランスに影響が出る場合も多く、慎重な判断が必要です。

部分矯正は、歯列全体ではなく気になる部分のみを矯正する治療法です。特定の歯の位置を改善し、全体のバランスを整えられます。部分矯正は2〜3本から始められるため、必要な箇所に応じて柔軟に対応可能です。

しかし、実際には部分矯正をするケースは少ないとされています。以下で、その理由を解説します。

下の歯だけを矯正するケースが少ない理由は、噛み合わせや歯列全体のバランスに大きな影響を与えるからです。

治療が可能な場合もありますが、上下の歯のバランスが崩れるリスクがあるため、全員に適用できるわけではありません。

治療できるケース	治療できないケース
・軽度な歯並びの乱れ・一部の歯だけ斜めに生えている・噛み合わせや骨格に問題がない	・重度な歯並びや噛み合わせの乱れ・歯を大きく動かす必要がある・間近に大切な予定を控えている

なお、ワイヤー矯正の場合、実際に歯を動かすのは前歯だけでも、全体のバランスを考慮して奥歯まで装置を取り付けることがあります。

また、マウスピース矯正は、歯列全体を覆うように設計されており、一部の歯だけを対象にしても歯列全体に装置を取り付けます。

見た目が気になり一部分のみに装置をつけたいと考えている方は、治療をはじめる前に歯科医師に相談しましょう。

当院では、無料で歯科医師の診断や検査を受けられます。自分の歯の状態をチェックし、ぴったりの矯正方法を見つけてみませんか？

下の歯だけを治療する代表的なメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット	デメリット
・治療期間が短くて済む・全体矯正よりも費用が安い・治療により顔の印象が改善される	・適応症例が限られる・噛み合わせの改善が難しい・出っ歯になるケースがある

全体矯正では奥歯の噛み合わせも調整するため、費用や治療期間の負担が大きくなります。

しかし、下の歯だけ治療する場合は短期間かつ低予算で歯並びの改善が期待できます。

また、歯並びの乱れが解消されることで、顔の印象もよくなるでしょう。中には「自分に自信が持てるようになった」という声も聞かれ、見た目の変化によって心も前向きになる方もいます。。

ただし、治療には限界があるため、適応症例を事前に確認することが重要です。

特に噛み合わせの問題や出っ歯になるリスクについても、考慮する必要があります。治療をはじめる前に、専門の歯科医師に相談しましょう。

下の歯を矯正する方法はいくつかあります。ここでは、代表的な方法を2つ紹介します。

ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置を歯の表側もしくは裏側に取り付け、その間にワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。

歯の根っこから平行に移動させる動きが得意な装置で、強い力で歯を動かせます。

メリット	デメリット
・歯の傾きや平行移動が得意・矯正力が強く、治療効果を感じやすい・自分で装置を管理する手間がない	・種類によっては装置が目立つ・歯磨きや食事で不便を感じる・金属の装置ではアレルギー反応が出ることがある

ワイヤー矯正は取り扱うクリニックが多いため、通院するクリニックを探しやすいのもメリットにあげられます。

一方で、治療中の見た目が気になったり、定期的な通院が手間に感じたりすることがあるでしょう。

マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着して、少しずつ歯を動かしてく矯正方法です。

下の歯だけを動かすような軽度の症例が得意な装置で、治療中の見た目が気にならないことも特徴の一つです。

メリット	デメリット
・装置が透明で目立たない・装置を自分で取り外せる・通院の負担が少ない	・自己管理の徹底が不可欠・装置をつけたまま飲食できない・1日20時間以上の装着が必要

マウスピース矯正は最低1回の通院で治療をはじめられるクリニックもあり、通院にかかる負担が少ない点が特徴にあげられます。

一方で、マウスピースの装着時間確保や保管など、自己管理が欠かせません。治療期間中の過ごし方によって治療効果に差が出ることもあります。